建売住宅の見学で「どこを見るか」が決め手になる
建売住宅を検討する際、多くの人が最初に行うのが「完成物件の見学」です。
しかし、外観や間取りの印象だけで判断してしまうと、入居後に「こんなはずじゃなかった」と後悔するケースも。 営業経験者の視点から、プロが実際に見ているチェックポイントを紹介します。
① 日当たりと風通し
採光と通風は暮らしの快適性に直結します。
南側に大きな開口があるか、周囲の建物に日差しを遮られていないかを現地で確認しましょう。
昼と夕方で光の入り方が変わるため、時間帯を変えて見学するのもおすすめです。
② 境界の位置とブロックの積み方
隣地との境界ブロックは芯積(敷地中央に乗っている状態)になっていないか確認が必要です。
芯積だと「どちらの所有か」でトラブルになりやすく、将来の外構工事にも影響します。
必ず境界プレートの有無と位置をチェックしましょう。
③ ハザードマップ・浸水履歴
見た目が良い土地でも、実は過去に大雨で冠水したエリアということもあります。
市区町村のハザードマップを確認し、浸水想定区域や土砂災害警戒区域に該当していないか必ずチェックしましょう。
見学当日が晴れていても、地盤や排水環境は重要な判断材料です。
④ 生活動線と家事のしやすさ
「玄関→洗面→キッチン→リビング」などの動線がスムーズか確認します。
洗濯動線や回遊動線が整理された建売は、家事効率が大きく向上します。
⑤ 学区と周辺環境
特に子育て世帯は小学校・中学校までの距離と通学経路を確認しましょう。
現地で歩いてみると、坂道や交通量など図面では分からない要素が見えてきます。
また、自治体によっては校区が分かりにくいため、役所か不動産会社で正式に確認しておくのが安心です。
⑥ ゴミ捨て場・共用部分の位置
ゴミステーションが極端に遠い建売もあります。
特に分譲地では、敷地から50m以上離れているケースも珍しくありません。
毎日のことなので、距離や出しやすさも必ず現地でチェックしておきましょう。
⑦ コンセント・テレビ端子の位置
意外と見落としがちなのがテレビコンセントの有無と位置です。
子供部屋や和室にはテレビ端子が付いていないこともあります。
家具レイアウトや将来的な用途を考えて、事前に確認しておきましょう。
⑧ エアコン用電源(100V or 200V)の確認
エアコンの電圧は機種によって異なります。
リビングは200V、寝室や子供部屋は100Vが一般的ですが、部屋によっては対応していないことも。
エアコン専用コンセントの電圧表示を必ずチェックしておくと安心です。
⑨ 内装仕上げとキズ・是正状況
建売住宅は完成済みのため、引渡し時に「現況渡し」となる場合もあります。
クロスの浮き・床の傷・建具の擦れなどがある場合は、契約前に是正依頼を。
不動産会社に「補修リスト」を渡すと対応がスムーズです。
⑩ 建物の完成時期と経過年数
完成から1年以上経過している建売は注意が必要です。
長期間売れ残っている場合、価格調整の余地はありますが、外部の劣化や給排水設備の未使用期間による影響が出ていることもあります。
竣工日と販売開始時期を確認し、値下げ理由も営業担当に聞いておきましょう。
その他の基本チェック
- 外構・駐車スペースの広さと勾配
- 基礎や外壁のひび割れ、コーキング劣化
- 室内の収納量と配置バランス
- 電波・Wi-Fiの入り具合(意外と重要)
まとめ:プロの視点で見れば“建売”も納得の買い物に
建売住宅は「完成しているからこそ」比較できるのが最大の魅力です。
しかし、図面や価格だけでなく、境界・ハザード・電気設備・学区といった生活のリアルを見ることで、後悔のない購入につながります。
現地で感じた違和感をスルーせず、疑問はその場で営業担当に確認しましょう。


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